『ちゃんとしなきゃ』が止まらないあなたへ ~完璧主義とのやさしい付き合い方~

「もっとちゃんとできるはずなのに…」
「家事も育児も仕事も中途半端で、自分にがっかりする」
「なんでこんなに“ちゃんとしなきゃ”って思ってしまうんだろう?」

そう思って、疲れてしまっているあなたへ。

一見、ていねいでまじめで、責任感が強くて…
周りからは「しっかりしてるね」と言われるけれど、
実は内側では、ずっと自分にダメ出ししている。

そんな風に、自分を責めてしまうがんばり屋さんに向けて、
今回は、私自身の経験を交えながら「完璧主義とのやさしい付き合い方」をお届けします。

私自身も「ちゃんとしなきゃ」に縛られていた

「ちゃんとやる」「ちゃんとしてる人でいる」

それが当たり前のように染みついていた私は、
いつも何かに追われるように日々を過ごしていました。

子どもが生まれてからは、
「ちゃんとしたお母さんでいなきゃ」
「ちゃんと家事も育児もやらなきゃ」
「ちゃんと笑顔でいなきゃ」
そんな“見えない基準”に、自分で自分を縛っていました。

だけど実際は――
本当は、ちゃんとやっていたんです。

家事もしてるし、子どものことも考えてるし、
自分なりにがんばっているのに、
なぜか「もっとできるはず」「まだ足りない」と思ってしまう。

「もう少しうまくやれるはず」
「もっとちゃんとやらないと、誰かにがっかりされるかも」

そう思えば思うほど、
どれだけがんばっても「これでいい」が見つからなくなっていきました。

いつの間にか、“できたこと”よりも“足りないこと”ばかりに目がいって、
ちゃんとできている自分にさえダメ出しをしていたように思います。

「ちゃんとしなきゃ」の奥にあるもの

「ちゃんとしなきゃ」って、
一見すると前向きで、まじめで、いいことのように思えます。

でも――
その言葉の奥に、どんな気持ちがあるのか、
少しだけ立ち止まってみたとき、私は気づきました。

私の場合、その奥には
「責められたくない」「否定されたくない」という気持ちがありました。

もし完璧にできなかったら、
誰かに「それじゃダメ」と言われるかもしれない。
迷惑をかけるかもしれない。
失望されるかもしれない。

だから、自分が先回りして、
「もっとちゃんとしなきゃ」って自分を追い立てていたんです。

でも本当は――
ただ認めてほしかっただけ。
がんばってること、ちゃんと伝わってほしかっただけ。
「それでいいよ」って、誰かに言ってほしかっただけ。

いつの間にか、「認めてもらうため」にがんばるようになっていて、
それができないと「自分には価値がない」と思ってしまう。

「ちゃんとしなきゃ」は、自己否定のブレーキじゃなくて、
自己肯定感の“代わり”になっていたのかもしれない。

そう思ったとき、
私は初めて、自分のがんばりがちょっとだけ、いとおしく思えたんです。

完璧主義との“やさしい付き合い方”ヒント

完璧主義を手放すって、
「もう気にしない!」「がんばるのをやめる!」っていうことではありません。

私の場合は、
“ちゃんとしなきゃ”と思ったときに、ほんの少し立ち止まってみる
そんな小さな習慣から、少しずつ変わっていきました。

✔ 自分に問いかける:「それ、本当に今必要?」

「ちゃんとやらなきゃ」と思った瞬間、
一度だけ自分に問いかけてみます。

「これは、今の私にとって、本当に“必要”?」
「“ちゃんと”じゃなきゃダメって、誰が決めたの?」

そうすると、意外と
「今日じゃなくていいかも」
「別に完璧じゃなくてもいいかも」
って思えることが多かったんです。

✔ “60点でもOKな日”を作る

毎日100点を目指すと、息切れしてしまう。

だから私は、
「今日は60点でOKって決める日」をつくるようにしました。

料理が手抜きでも、掃除ができなくても、笑顔がなくても、
“60点の日”には「これでOK」と自分に言ってあげる。

そう思うだけで、ふっと呼吸がしやすくなりました。

✔ 自分をねぎらう時間をつくる

一日の終わりに、たった5秒でもいいから、
「今日の私、よくやったね」と声をかける。

誰にも見られていない努力を、
自分だけはちゃんと見てあげる。

これが少しずつ、
“自分との信頼関係”を育ててくれるように感じました。

✔ 「やらなかったこと」ではなく「やれたこと」に目を向ける

完璧主義のクセがあると、
つい“できなかったこと”にばかり意識が向いてしまいます。

でも、1つだけでいいから
「今日、自分ができたこと」を思い出す。

  • 朝ごはんを用意できた
  • 笑顔で「おはよう」が言えた
  • 疲れてるのにちゃんと起きた

どんな小さなことでも、
“自分を認める目線”を持つ練習になります。

完璧主義を「やめる」ではなく、
「やさしく付き合う」ことなら、今からでも少しずつできる。

そんなふうに思えるようになってから、
私は毎日のしんどさがずいぶん軽くなりました。

今、がんばり屋のあなたに届けたいこと

「もっとちゃんとしなきゃ」
「まだまだ頑張らなきゃ」
そう思って毎日を過ごしているあなたへ。

もしかしたら、
あなたの中の“ちゃんとしたい”という気持ちは、
本当はすごく優しさから来ているのかもしれません。

誰かを困らせたくない。
周りに迷惑をかけたくない。
ちゃんとできていれば、きっと認めてもらえる――

そんな健気な気持ちが、
あなたをずっと動かしてきたのではないでしょうか。

でもね、
どんなに完璧にこなしていても、
あなたが「苦しい」と感じているなら、それは見直してもいいサインです。

できない自分も、疲れている自分も、弱音を吐きたい自分も、
全部あなたの一部で、大切にしてあげていい。

「今日はこれでいい」
「私はもう十分がんばってる」
そう言える日が、少しずつ増えていくことを願っています。

完璧じゃないあなたも、
すこし不器用なあなたも、
ちゃんと愛おしい。

そんなふうに、自分をまるごと受け入れていけるように、
この場所から、そっとエールを送ります。

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